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ごあいさつ

タイは東南アジアに位置する人口約6800万人の王国です。古代遺跡や華やかな寺院がたくさんあります。
北部は主に山岳地帯で、東北部はコラート高原が広がっています。中央部には首都バンコクがあり、チャオプラヤー川が流れチャオプラヤー・デルタという平地が広がり、世界有数の稲作地帯となっています。南部はリゾートビーチやゴムの木畑、スズの採掘などで知られています。

タイは屋台文化の国で街には朝から晩まで屋台が並んでいます。食事は家で作らず、一日三食すべて屋台で食事をすることはよくあることです。たまたま隣に座った人同士で仲良くなって、奢ったり奢られたりなんてこともしばしばあります。気軽に、そして気さくに食事を楽しむのが本場タイの屋台です。

これは私(店主)がタイでよく食事に通っていた、小さな移動式屋台のお話です。そこはスラム街の近くで親父さんが一人で切り盛りしていました。売っているのは一杯15バーツ(約45円)の麺だけです。とても美味しいと評判の店で、遠くからわざわざ食べに来る人たちもたくさんいました。

ある日この屋台でのことです。いつものように近所の住人やサラリーマンたちが麺を食べていると、一台の高級外車が屋台の前で停まりました。いったいどんな人がやって来たのだろう？…。注目しているとブランドのスーツを着た紳士が車から降りてきました。紳士は運転手を車に待たせ、慣れた感じで一杯の麺を注文、そして食べ終わるとまた車に乗り込み去って行きました。

この屋台には、有名人やサラリーマン、スラム街の住人など色々な人たちがやって来ますが、親父さんは、いつでも誰にでも、分け隔てなく接します。親父さんにとって、お腹をすかせて屋台に来る人たちはすべて同じお客様、つまり一杯の麺の前では、誰もが平等なのです。ですから食事に来た人たちも気軽に話せるのでしょう。そんな小さな屋台の親父さんを目の当たりにして、私は「とってもカッコイイなぁ」と思いました。

私たちがお店を始めようと考えたとき、真っ先に浮かんだのが、この屋台のことでした。

本場タイの屋台の気軽さや楽しさ、親近感をこの前橋でも味わってもらいたい・・・そんな思いから、2009年1月＜タイ麺セマクテ＞を前橋市馬場川通りにオープンいたしました。

2017年5月、前橋市立川町通り移転に伴い、店名を＜泰処セマクテ＞と改めました 。また、メニューも一新して、「麵料理」の他に「ご飯」や「小料理」などの「タイ料理」もご用意しております。

＜泰処セマクテ＞で本場タイの屋台の雰囲気とタイ料理を気軽にお楽しみいただければ幸いです。

泰処セマクテ 店主

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